ポール[00:00:11] マット、元気? 会えてうれしいよ。
マット[00:00:13] 元気だよ、ポール。私も君に会えてうれしいよ。今日は、新刊の『ビヨンド・デジタル 企業変革の7つの必須要件』について一緒に話せるということでとても楽しみです。
ポール[00:00:24] 最高だね。さて、仲間からいくつか質問が来ています。1つ目は、「この本を書いた理由は?」です。
マット[00:00:32] 私たちがなぜこの本を執筆したかというと、DXに関する問題に直面したリーダーの皆さんから、ものすごい数の質問を受けていたからです。リーダーの方々にはいろいろな心配事がありますよね。「これは大変だ、どのようなデジタル戦略を立てるべきだろう?」「どうすれば数あるプラットフォーム企業と張り合えるのだろう?」「自社の古いビジネスモデルにとらわれず、自分たちがプラットフォーマーになる必要があるということだろうか?」といった懸念です。ところが、ありとあらゆるテクノロジーに投資していても、自社が根本的には前進していないことに、リーダーたちは気付いたのです。特に大きな価値を創出していたわけでも、競合他社を大きく引き離していたわけでもなかったのですね。そこで私たちは、DXを成功させるために実際に何が必要なのかを研究しようと考えました。抜本的なトランスフォーメーションを遂げた企業を研究対象にした理由は、そこにあります。そうした企業はいずれも、トランスフォーメーションの過程で、結果的に全く新たな自社の未来を作り上げていたのです。では、次の質問はポールに答えてもらいましょう。「企業研究から何を学びましたか?そして、なぜその学びが重要なのでしょう」
ポール[00:01:25] 私たちが学んだ一番大事なことは、「DXの肝はデジタルではない」ということです。大切なのは、世界における自社ならではの立ち位置を見出すすることであり、顧客のために解決すべき問題が何なのかを理解することであり、それらの課題を解決するために必要なケイパビリティを獲得することなのです。そして、私たちは、リーダーシップに必須な7つの要件を特定し、これを大きく3つに分類しました。1つ目は、「どのように自社が世界と向き合うか」です。解決すべき固有の問題は何なのか、その問題解決を助けるために現在はどのエコシステムにいて、今後はどのエコシステムにいるべきなのか、顧客について独自の体系的な知見を構築して次に起こることを常に先取りするにはどうしたらいいか、といったことを考える姿勢です。2つ目は、「どのように自社を組織し率いるか」という視点です。いかに従業員のやる気を出させ、どのように従業員と関わるか、リーダーシップチームはどのように今後の方針を立てるのかなど、組織を構造化するための新たなモデルに関することですね。そして最後の1つが非常に大事なのですが、「どのようにリーダー自身が変わることができるか」という点です。ではマット、次の質問はこちらです。「なぜこの本を読んでほしいのですか?」
マット[00:02:28] なぜ皆さんにこの本を読んでもらいたいかというと、この本を読めば、リーダーの皆さんは、いかなる破壊的な混乱が起ころうとも、自社が長期的に成功を収めて価値を創出するために自分に何ができるか、という実用的なロードマップを入手できると思うからです。それから、この本を読んでリーダーの皆さんが得るのは、実用的ですぐに役立つアドバイスです。この本には「何をするか」だけでなく、それ以上に大切な「それをいかに実現するか」が書かれています。実例に基づいたアドバイスですよ。ただの理屈ではありません。実在するリーダーたちから出てきた実話なのです。彼らが犯した過ちのあれこれも含まれます。多くの場合、成功よりも過ちから学ぶことのほうが大事だと私は思っています。いつもいい話ばかりではありません。避けるべき落とし穴も知っておくべきです。ポール、次の質問です。「学んだことの全てを踏まえ、今日のリーダーに1つアドバイスをするとしたら?」
ポール[00:03:17] そうですね。変化が起こるのを待っていてはいけません。自分で自分の未来を形作るのです。正面から取り組みましょう。皆さんの顧客が求めている課題を捕まえにいくのです。そして、そのために最高にすばらしい仲間を集めてください。マットからのアドバイスは?
マット[00:03:29] 私からのアドバイスは、「成果至上主義になれ」ということですね。どのテクノロジーを使うかとか、最新の流行は何なのかとかは気にしないでください。顧客に差別化された結果を創出すると約束したのなら、その結果とは何なのか、どういう結果が出せれば目的を達成できるのかという点に、とにかくしっかり集中するのです。その後で、それを実現するのに適したテクノロジーを見極めて、現在だけでなく将来にわたって長い間自社の成功を支えることになる適切な仕組みを設計するのです。
ポール[00:03:55] トランスフォーメーションの失敗にまつわる話やそのデータについて見聞きすることがよくあります。トランスフォーメーションの実現は難しいですが、成し遂げることは絶対に可能です。この本で取り上げた12社は、「先行きは明るいものにできるはずだ」という確信を持たせてくれます。皆さんも、顧客や社会全般にとって、意義ある課題に取り組み、解決することができます。そして、そうすることで自社の競争優位を築けるのです。
今こそ、デジタルを越えたその先、「ビヨンド・デジタル」に進むべきです。
...なぜ今の言葉を足したのかな。
マット[00:04:20] 絶妙だったよ。