約1,000万台
BEV（バッテリー式電気自動車）
の年間販売台数
約8,630億米ドル
金融サービス
に対する年間追加支出
約1,210億米ドル
モビリティサービス
に対する年間追加支出
約100万台
自動運転車両（レベル4）
の走行台数
約25％
世界の車両販売台数
に占める中国市場のシェア
中国自動車産業の市場規模は2030年までに倍増し、全体で4兆5,000億米ドルを超えると予測されています。デジタル化やエレクトロモビリティといったトレンドは、収益の増加だけではなく、新しい成長プロフィットプールの出現にもつながっています。
資金力のある中国のスタートアップ企業が中国自動車市場のシェアを獲得し、新しいプロフィットプールを追求し、既存の事業のあり方に挑んでいます。そうした中で、世界中の自動車関連企業は高まる経済的プレッシャーにさらされています。劇的に変動する、競争の激しい環境で戦おうとする高い志を持つ自動車メーカー、サプライヤー、投資家にとっては、中国市場に向けたアプローチを決定することが急務です。選択肢は、単独進出、戦略パートナーとの提携、投資の3つです。
本調査では、現在の中国自動車市場のトレンドを明らかにしてプロフィットプールの動向を検討し、各社が中国自動車市場でのポジショニングを確立させるための知見を提供しています。
従来型プロフィットプールの規模が依然として大きい一方、新たなプロフィットプールも成長しています。自動車関連各社は既存市場のシェアを固めながら、同時に新しく登場したプロフィットプールでのシェアも開拓していくという二刀流の戦略を目指すべきでしょう。
依然として中国自動車産業の可能性を支える大きな源泉になっており、製造・販売、コンポーネント、アフターマーケット 販売・サービスといった分野が含まれます。
製造・販売の主な収益源はICE（内燃機関車）からNEV（新エネルギー車）車種に移行します。NEVは必要なメンテナンスが少ないため、アフターマーケット販売・サービスのプロフィットプールは縮小する見込みです。コンポーネントのプロフィットプールは増加していますが、自動車の保有台数が増加する一方でNEVのシェアが拡大しているため、いずれ減少に転じることが見込まれます。
金融サービス、オペレーション、モビリティサービス、リファービッシュ・リサイクルの4つのプロフィットプールが2030年までに1兆米ドル増加すると見込まれます。そのうち規模が最も大きく利益率が高いのは、ファイナンス、リース、保険の3セグメントで構成される金融サービスです。
金融サービス以外の3つのプロフィットプールの推進要因としては、NEVのエネルギー供給という新分野の登場、レンタルやシェアリングサービスの増加、バッテリーの再利用やリサイクルの増加があげられます。
世界中の企業は、新たなプロフィットプールに単独でアプローチするか、自社より有利なポジションにある企業とパートナーシップを組むか、あるいは、ポテンシャルの高い他社に投資するかを決めなければなりません。
以下の図に示すように、新たなプロフィットプールの可能性を評価した上で、それらが自社のコアコンピテンシーにどの程度該当するかを見極める必要があります。自社が従来取り組んでいる分野から遠いプロフィットプールに対しては、パートナーシップの可能性や投資を検討するなど、リソースを最も効率的に活用する方法を模索することが望ましいでしょう。
中国の自動車産業のあらゆる分野に新しい参入機会があり、その機会を活かして中国での将来的なポジショニングを成功させたいと望むグローバル企業は、今すぐ対応する必要があることを本調査は示しています。
本レポートの執筆にあたっては、Dr. Nils Altfeld、Tim Joussen、Alexandra Ausma、Kai Schwade、Kaysie Li、Lin Q Li、Andrea Liの各氏にもご協力をいただきました。
※本コンテンツは、China automotive value pools 2030 を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。
